代表的な江戸伝統園芸植物
◆桜草の誕生 ― 江戸の花としての起源
春に可憐な花を咲かせる桜草は、江戸近郊の荒川沿岸に自生していた野草から、人々が生み出した唯一の園芸草花であり、「江戸の花」と呼ぶにふさわしいものです。わずか一種類の野生種をもとに、多様な品種が作出されてきました。
◆江戸の桜草 ― 大群生地の誕生
桜草は室町時代から記録に登場しますが、園芸植物として発展したのは江戸時代です。徳川家康の天下普請から始まる江戸市街地と治水事業建設の結果、荒川沿岸に桜草の大群生地が生まれました。
◆江戸の桜草文化 ― 「連」の結成と「花闘の楽」
享保年間に普及が進み、文化年間頃からは、愛好家である武士などが、身分を超えたコミュニティー「連」を結成し、育種技術の向上に努めました。連の活躍により、毎年「花闘の楽」と呼ばれる新花の品評会が開催され、育種は飛躍的に進歩しました。
◆現代の桜草 ― 江戸の園芸文化を今に伝える
神代植物公園では、江戸時代から作出された品種をはじめとして、約300品種を収集しています。毎年4月には、さくらそう会と連携した展示会を開催し、江戸の園芸文化を今に伝えています。
華やかなサクラソウ展示
さくらそうは、釉薬を塗った茶褐色の孫半斗鉢(まごはんとばち)や、それを模した桜草鉢を用い鑑賞します。
天保時代から伝わる伝統的な鑑賞技法「さくらそう花壇」は、5段にひな壇を組み33鉢のさくらそうを千鳥に並べた美しいもので、春の展示会に花を添えています。
ナショナルコレクション認定
神代植物公園での取組とコレクションとしての価値が評価され、平成30年6月に(公社)日本植物園協会によるナショナルコレクションとして、第1回認定を受けました。
サクラソウ栽培を継承することは、その遺伝情報の保存にとどまらず、栽培方法、鑑賞方式、関連資材等の伝承を含め園芸文化の保存・継承を行っています。
神代植物公園で観賞できるサクラソウ
神代植物公園では、春の開花期に合わせて「さくらそう展」を開催しています。現在に伝わる貴重な園芸品種の数々を伝統的な展示方式でご覧いただけます。江戸の人々に愛された可憐な桜草の魅力をお楽しみください。
(花の時期は年により変わることがあります。詳細は、神代植物公園にお問合せ下さい。)
サクラソウをみるときに、その多様性の種類を知っていると、それぞれの違いがわかって、より楽しめます。
(以下は各特徴の一部のご紹介です)
花の大きさ

小輪

中輪

大輪
花のかたち

細弁

広弁

元細弁
花冠先端のかたち

桜弁

梅弁

かがり弁
花容

平咲き

抱え咲き

玉咲き
花色

桃

藤紫

緑斑
花のつき方

受け咲き

横向き咲き

うつむき咲き
