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多摩丘陵で出会える動物たち

多摩丘陵のいたるところで、たくさんの動物を見ることができます。
足もとや頭の上をよく見たら、素敵な発見があるかもしれません。

春の昆虫

チョウとガの仲間

イチモンジチョウ

5月下旬から10月中頃に見られ、花の蜜を吸います。はねに逆八の字型の模様が一列あるのが特徴で、幼虫はスイカズラの葉を食べます。

キタキチョウ

近縁のモンキチョウよりもやや小く、翅は黄色で、オスの方が濃い色をしています。越冬を行うチョウの一種です。

クロヒカゲ

4月末から10月まで見られ、樹液を吸います。類似種のヒカゲチョウは色が薄く、5月末以降に見られます。幼虫の食草はアズマネザサなどです。

コツバメ

飛ぶとはねの内側の青が目立ち美しいのですが、とまる時はいつもはねを閉じています。成虫は年1回3月中頃から約1か月だけ見られます。

ダイミョウセセリ

4月末から10月前半まで見られ、花の蜜を吸います。西日本型は後ろばねにも白い模様があります。よくはねを水平に開いてとまります。

ツバメシジミ(メス)

春から秋まで年数回発生し、後ろばねにオレンジ色の紋とつばめの尾のような突起があります。はねの表(内側)がメスは暗色、オスは水色です。幼虫の食草はマメ科です。

ツマグロヒョウモン(オス)

4月末から11月初めまで見られます。オスとメスで模様が違い、オスは全体がヒョウ柄、メスは前ばねの先端に黒い部分があります。幼虫はスミレ類を食べます。

テングチョウ

はねにオレンジ色の紋があるやや小さなチョウです。成虫で越冬して、越冬後に明るい林の周辺などで見られます。顔の前の長い突起をテングの鼻に見立ててこの名がつきました。よく湿った地面で吸水する姿が観察できます。

ヒメキマダラセセリ(オス)

初夏と真夏の年2回発生します。オスははねの明るい色の部分が大きくてオレンジに近い色で目立ちます。メスは明るい部分が小さいです。

ベニシジミ

早春から晩秋まで年数回発生し、夏に発生する成虫(夏型)はオレンジ色の部分が暗い色合いです。明るい土手や草地に多く、幼虫はスイバなどの葉を食べます。

ミヤマセセリ(オス)

年1回、春のみ見られます。写真はオスで、メスは前ばねに白帯があります。幼虫の食草はコナラなどです。里山の雑木林を好み、里山に人の手が入らなくなり林が暗くなると、いなくなってしまいます。

ムラサキシジミ

成虫で越冬する小さなチョウで、はねの内側の紫色がきれいです。はねを閉じると枯葉そっくりの保護色になります。4月頃まで見られます。

ヤマトシジミ

春から晩秋まで見られ住宅地にも多い小さなチョウです。類似種が多いですが、はねの裏の黒点が明瞭で、表(内)側はオスが水色、メスは黒褐色です。

ルリタテハ

雑木林でくらすチョウで樹液を好み、木々の間を敏速に飛翔する姿を見かけます。春は林縁の陽だまりで日光浴をする姿を見ることができます。

トンボの仲間

シオヤトンボ(オス)

例年4月中旬から6月まで、園内のトンボで最も早く見られます。メスと未熟個体は胴体が淡黄色で、成熟するとオスはこの写真のように白くなります。

ニホンカワトンボ

金属的な青緑色の胴体に、オレンジ色がかった翅が印象的なニホンカワトンボのオスです。水路などでよく見られます。

ハラビロトンボ

胴体が太く短いためこの名があります。5~7月に主に草丈の高い湿地や浅い池で見られます。オスは成熟すると胴が黒~青灰色になります。

甲虫の仲間

キマダラカミキリ

キマダラヤマカミキリ、キマダラミヤマカミキリとも呼ばれます。5~8月頃見られ、夜は樹液や夜間照明に集まります。幼虫は朽木の材を食べます。

モモブトカミキリモドキ

年1回春だけ見られ、タンポポやミツバツチグリの花などによく飛来します。オスの後脚腿(たい)節が太いのが特徴ですが、メスは太くありません。

セミとカメムシの仲間

クサギカメムシ

地味な色合いで、刺激するとくさいにおいを出します。成虫で越冬するカメムシで、公園ではよく見ることができます。

ハチとアリの仲間

ニホンミツバチ

セイヨウミツバチよりも小さく、黒っぽいのが特徴の、日本在来のミツバチです。木のうろ等に巣を作ります。おとなしい性質で、刺激をしない限り刺すことはほとんどありません。

バッタなどの仲間

クビキリギス

秋に発生し成虫で越冬して夏前まで生きるキリギリスの仲間です。緑色型もいます。オスは夜、ジーーと長くのばして鳴き、メスは長い産卵管があります。とがった額と紅を引いた口がユーモラスなバッタです。

ナキイナゴ(オス)

明るいススキ原に5月末から8月中頃まで見られます。オスは小型で黄色味が強く、シャカシャカ…と鳴きます。メスは淡褐色ではねが極端に短いです。

その他の昆虫

アシブトハナアブ

早春からよく見かけ、成虫は花の蜜を吸います。ハナアブ類は、ハチと違って刺すことはなく、はねが2枚しかないなどの違いがあります。

ビロウドツリアブ

成虫は年1回早春に見られ、花の蜜を吸います。ぬいぐるみのような毛深く丸っこいからだがかわいらしい昆虫です。