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楽しんで学ぶ花の散策路 神代植物公園 開園50周年記念

50年の歩み

【神代植物公園の誕生】神代植物公園は戦後の高度成長の中、昭和36年10月20日に誕生しました。もともと高台にあるため、水田のできる土地ではなく、桑畑が大半を占めていたそうです。戦後、東京都の街路樹や公園のための苗木を育てる苗圃となり、一部で学校の遠足などで利用されていました。その後、植物園を作る気運が高まり、単なる植物園でも公園でもない都内で唯一の“植物公園”としてデビューしました。この神代植物公園を皮切りに、各地で誕生した植物園の多くは“植物公園”という名称で開園されています。

概略年表

1961年 10月20日 神代植物公園開園(建設費約4億円)
入場料 大人30円 小人10円
1965年 10月12日 昭和天皇・皇后陛下御視察
1972年 4月1日 入園無料となる
1978年 10月20日 緑の相談所開設
1979年 4月1日 大人200円 中学生50円 再度有料化となる。
1981年 12月 国際バラコンクール花壇をバラ園内に設置
1984年 10月 第2回全国都市緑化フェア開催
大温室開館
1985年 6月 水生植物園開園
1986年 4月 入場料改定 大人400円
植物会館改築
1991年 10月 開園30周年記念行事の開催
1994年 4月 入場料改定 大人500円 中学生200円
1998年 3月 バラ園北東側のボタン・シャクヤク園跡に野生種・オールドローズ園を整備
2000年 3月 緑の相談所廃止。(グリーンギャラリーとして利用)
2001年 5月2日 今上天皇、皇后両陛下行幸啓
10月 開園40周年を記念して、「秋のバラフェスタ」を開催
2009年 6月24日 世界バラ会議バンクーバー大会でバラ園が世界バラ会連合優秀庭園賞を受賞
2010年 4月1日 管理運営が指定管理者・公益財団法人東京都公園協会に移行
2011年 10月20日 開園50周年を迎える

神代植物公園 特徴

神代植物公園では「豊かな花と緑を楽しみながら植物の知識が得られる」ことと、「日本に古くから伝わる花木の園芸品種を集め、これを保存栽培する」ことをテーマに管理・運営されています。

それらテーマに沿って、園内にはばら園、ぼたん園、しゃくやく園など種類別、形態別におよそ30のブロックに分けられて配植されています。ばら園前の大温室には、熱帯、亜熱帯の珍しい植物が集められており、彩り鮮やかな花を観賞することができます。

また、神代植物公園のある東京は、江戸時代には園芸が大きく発展した時代です。世界的に見ても最高水準に到達していたといわれています。

当園では、つつじ園に江戸時代から昭和10年代までに作られた園芸品種が、つばき園にも江戸時代から残る品種を中心とした江戸の園芸に由来する園芸品種が栽培されています。

神代植物公園 いま、むかし-開園当初、30周年、今-

神代植物公園開園当初から30年、50年と利用の変化が見られ、緑が豊かになっているのがわかります。

昭和40年ころ/平成5年ころ/平成23年10月の風景

【神代植物公園のこれから】神代植物公園は半世紀を経て社会情勢も大きく変化し、新たな役割が求められています。その一つが絶滅危惧植物の保全、生物多様性保全の取組みです。日本には種子植物やシダは約7,000種が生息していますが、開発や採取、自然環境の変化などにより、多くの植物の生存が危ぶまれるようになってきました。平成19年度の環境省の調査では、1,690種の植物が絶滅の危機に瀕していることがわかっています。新しい時代の要請に応えるために、神代植物公園は(社)日本植物園協会の植物多様性保全拠点園ネットワークに参加し、絶滅危惧植物の保全、生物多様性保全に関する取組みを行っています。