2026年1月

「第4回東京パークガーデンアワード 夢の島公園」ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート

2025年12月中旬、都立夢の島公園で行われた作庭。入賞者5名が手掛けるガーデンにはさまざまな工夫が凝らされました。それぞれのガーデナーが選定した植物や、独自の“土壌づくり”などを詳しくご紹介します。

第4回コンテスト会場について

ユーカリの大木群が背後に広がる「グリーンパーク」の一画に設けられたコンテストガーデン。会場には、あらかじめ黒土をメインとした客土が施された、木枠で縁取られた1.2×10mの波打つ花壇が、2対1組で用意されました。ガーデナーたちは、それぞれの植栽計画に沿って土壌を整え、苗や球根を植え付けました。土壌改良や施肥の方法はデザイナーによって異なります。

ガーデナーが踏まえておく作庭条件

■コンテストのテーマ「海辺のサステナブルガーデン」を踏まえ、宿根草をメインとしたガーデンを制作すること。
■ロングライフ・ローメンテナンスで、コンテスト終了後も持続可能な花壇を制作すること。
■国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は使用不可)。
■公園内で爆発的に繁殖するおそれがある植物は使用不可。
■主たる植物は宿根草を使用すること。容易に制御が可能な、草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。
■構造物やガーデンオーナメント、バイオネスト等の設置は不可。植物のみで構成すること。

エリアごとの様子

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JOURNAL GARDEN A

作品タイトル

花の巡り、風と大地の詩

【使用資材】

土壌改良材:桐生砂、くん炭、有機石灰、矢作砂、バットグアノ入り有機堆肥完熟腐葉土

【ガーデン制作工程】

桐生砂、有機石灰を混ぜ込む準備をする。さらにくん炭を加え、混ぜ込みながら耕す。宿根草を配置し、植え込む。長期的に花を咲かせる植物には、植穴の底にバットグアノ入り有機堆肥と完熟腐葉土を、乾燥を好む植物には矢作砂を植穴の底にすき混む。植栽後は、土の表面は水はけを良くするため平らにする。球根を植え込み、最後に全体に水やり。

【作庭を終えて】

当初よりも多くの品種を迎え、作庭日当日は皆で相談し合い配置を何度も調整しました。信頼できる仲間との作庭は、植物談義が尽きることのない充実した楽しいひとときでした。多くの力が重なり合って生まれた花壇は、エネルギーに満ちた表情を見せています。これからも植物たちがその力を存分に発揮できるよう、丁寧に見守っていきます。
JOURNAL GARDEN B

作品タイトル

潮風に揺れるプレイフルガーデン
-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze-

【使用資材】

土壌改良材:赤土小粒、堆肥(籾殻、糠、ピーナツの殻、そば殻を燻蒸で発酵させたもの)
マルチング材:マルチバーク(のり付き)

【ガーデン制作工程】

樹木を配置し、植え穴を掘って地中に植え、一部は根鉢を赤玉土と堆肥で覆って盛り土をしてから植え付ける。表土を木の板でなだらかに整えたあと、ユーカリの枕木を数個用いてステップを設ける。宿根草のポット苗を配置してバランスを確認し、苗と球根を植え付ける。樹高2m以内の規定に合わせて樹木の枝を剪定、グラスの枯れ葉を除去。マルチバークで表土にマルチングをする。

【作庭を終えて】

設計段階で図面や3Dモデルを用い、植栽配置と四季のボリュームを徹底検証することで、現地で判断に集中できる余白を確保しました。樹種の限定や盛土を生かした工夫により、意匠と施工性を両立。現場では図面で捉えきれない木々の枝ぶりや宿根草の個体差と向き合い、配り付けを楽しむことができました。スピーディかつセンスあふれる施工をしてくれたチームに感謝です。
JOURNAL GARDEN C

作品タイトル

Stewardship Garden: The Way

【使用資材】

土壌改良材:堆肥(植物の枝葉を15年ほど寝かしたもの)、米糠(肥料としても有効)
ライン引きのための材:赤玉小粒
マルチング材:ウッドチップ、洗い砂、クルミの殻
その他:ユーカリの枝葉

【ガーデン制作工程】

斜めのラインの位置出しをして、花壇の縁に目印のテープを貼る。土壌を耕したあと、堆肥と米糠を加えて混ぜ耕す。位置出しで貼ったテープの目印を頼りに、小粒の赤玉土を使って表土に斜めのラインを描く。ポット苗や球根を配置し、植え付ける。ウッドチップをマルチングする。ガーデンの端はマルチングをせず、洗い砂を敷いて砂浜の風景をつくる。ガーデンの一部に溝をつくり、ユーカリの葉を敷き詰める。また、その傍らにクルミの殻を敷き詰めるコーナーをつくる。

【作庭を終えて】

経験豊富なメンバーと確かな生産者さんから譲って頂いた植物と資材たち。これ以上他にない条件の中、素敵な庭づくりが出来ました。お庭で大切なことの半分は地中にある、だけど地上部は見た目も重要!思わずお庭に近づいてしまう仕掛けがたくさんある。作って楽しい!見て楽しい!参加して楽しい!そんな庭づくりが出来たことに感謝します!
JOURNAL GARDEN D

作品タイトル

SurFIVE Garden

【使用資材】

土壌改良材:エコロベース、堆肥
元肥:マグアンプ大粒
ライン引きのための材:赤玉小粒
マルチング:バークチップ

【ガーデン制作工程】

よく耕してから、エコロベースソイルを盛土する。微生物系の土壌改良材(ミラクルバイオFDS)を加えて混ぜ込み、起伏を作りながら表面を平らにする。デザイン通りのゾーニングのラインを赤玉小粒で描く。片足を踏み込める小さな足場として、25㎝程にカットした木の幹を3本一束にして、5㎝程顔を出すようにして埋め込む。ポット苗と球根を配置し、植え込む。花を咲かせる苗の株穴には、マグアンプL(大粒)を適量入れる。苗のまわりに堆肥をまき、最後にバークチップでマルチングする。

【作庭を終えて】

年末の忙しさや体力面も考慮して、2日間で終えられるよう綿密に段取りを組みました。メンバーの協力のおかげで、思い描いた通りに無事完成させることができました。テーマカラーのオレンジは友情を表す色でもあり、オレンジの糸を張り巡らせたカラスよけも、想いを重ねた私たちのガーデンのシグネチャーとして表現できたことが印象に残っています。
JOURNAL GARDEN E

作品タイトル

「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」
〜地の記憶と環境を翻訳する庭

【使用資材】

土壌改良材:黒土
マルチング材:マルチバーク

【ガーデン制作工程】

花壇全体に黒土を載せ、苗を配置し、植え付ける。仕上げに、花壇全体をバークマルチでマルチングをする。

【作庭を終えて】

北海道から車で苗を運び込み、4日間かけて作庭する予定でしたが、悪天候の影響でフェリーが2日連続欠航。作業は実質1日半という厳しい状況になりましたが、現場で力を尽くしてくれた心強いメンバーのおかげで、なんとか無事に完成しました。とにかく安堵と感謝の気持ちでいっぱいです。

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