概要・沿革 霊園

概要

現在、東京都の霊園は8か所(青山、雑司ケ谷、谷中、染井、多磨、八柱、小平、八王子)あり、総面積約416万m2です。このうち、埋蔵施設は面積が約180万m2であり、使用者数約30万人、埋葬体数約142万体です。また、収蔵施設(納骨堂)は、多磨霊園にみたま堂と雑司ケ谷霊園に崇祖堂(すうそどう)及び八柱霊園納骨堂が開設されており、使用者数約9,700人、収蔵遺骨数約24,000体であり、多磨、八柱、雑司ケ谷の各霊園の一時収蔵施設の遺骨保管数は、約4,000体です(令和5年3月31日現在)。

青山、雑司ケ谷、谷中、染井の区部4霊園は、将来、公園化を予定していたことから、青山、谷中については昭和35年8月以降(昭和32年12月21日建設省告示第1689号により都市計画公園として決定)、雑司ケ谷、染井については昭和37年6月以降、返還墓所等の再貸付は行っていませんでした。

しかし、平成14年12月の東京都公園審議会答申「区部霊園の管理について」に基づき、平成15年度から青山霊園、平成19年度から谷中霊園において、再生事業の一環として一部の墓所の貸付を再開しています。

施設の貸付、公募について

現在、一般埋蔵施設(青山、雑司ケ谷、谷中、染井、多磨、八柱、小平)および芝生埋蔵施設(八柱、小平、八王子)は、返還された墓所を整備して再貸付を行っております。
また、合葬埋蔵施設(多磨、八柱、小平)および立体埋蔵施設(染井)は新規貸付を行っており、募集の詳細は毎年発行される「申込みのしおり」でお知らせします。(令和5年5月25日現在)

なお、一時収蔵施設(雑司ケ谷、多磨、八柱)、式場(雑司ケ谷)の利用については、各施設設置霊園事務所に事前に電話等でご確認ください。

墓所の貸付は年1回の公募により行っていますが、応募資格について都内での一定期間居住者(八柱霊園のみ松戸市民を含む)等の条件が設けられています。

沿革

現在に至るまでの軌跡

江戸時代においては、寺請制度により各寺院がその付属墓地に各檀家の埋葬を行ってきましたが、明治政府は明治7年6月、朱引内での埋葬を禁ずるとともに「墓地取扱規則」を設け、青山神葬祭地ほか9か所を市民のための公共墓地として指定しました。

これを受けて東京府は、東京会議所(現在の東京商工会議所の前身)に命じて、指定9か所のうち、青山、同立山、雑司ケ谷、染井、亀戸、谷中など8か所を造成、明治7年9月1日開設し、これに関するすべての事務を会議所に委任しました。その後明治9年(1876年)に、墓地の造成、管理事務は会議所から東京府に引き継がれ、墓地の管理は、墓地の所在する区で扱うこととなりました。(注)朱引:江戸幕府が江戸の範囲を示すため使った用語、地図上に朱線で囲った地域と示されたことに由来する。)

明治22年(1889年)には、市町村制の施行に伴い東京市に移管され、同年5月に青山(立山を含む)、雑司ケ谷、染井、谷中、亀戸、澁谷の6墓地が市区改正設計(都市計画の前身)における公共墓地に指定されました。

その後、明治から大正にかけての東京市街の急激な発展に伴い、既存の4墓地はほぼ全て使用許可済になり、また深川、亀戸、羽根沢(澁谷)、橋場の4墓地が前後して整理廃止されたため、新しい墓地を造成する必要に迫られることとなりました。これを受けて郊外三方面に墓地新設の構想が計画され、その第1号として大正12年(1923年)4月多磨墓地が開設されました。この多磨墓地は我が国古来の習俗を基本としながら、ドイツの森林墓地を参考にした、我が国初めての公園墓地です。

続いて昭和10年(1935年)7月に八柱霊園が千葉県松戸市に開設されました。(これを機に墓地の名称を霊園に改めました。)

昭和18年(1943年)7月都政施行により市営霊園は東京都に引き継がれ、全都民の需要をまかなうことになりました。その後昭和23年(1948年)5月には小平霊園が、昭和46年(1971年)4月には八王子霊園(全域芝生墓地)が建設され、都立霊園は計8ヶ所となり現在に至っています。

多様なニーズへの対応

都では都立霊園において、従来からの一般墓地(一般埋蔵施設)のほか新形式墓地を開発してきました。昭和9~13年には収蔵施設という新たな形式の施設として、多磨霊園、八柱霊園の納骨堂、雑司ヶ谷霊園の崇祖堂があいついで設けられました。昭和46年に開設した八王子霊園の墓域は、全て芝生墓地(芝生埋蔵施設)としたのをはじめ、平成3年度には東京都新霊園等構想委員会の答申に基づき新形式墓地である壁墓地(壁型埋蔵施設)の供給を八柱霊園ほか2霊園(多磨、小平)で開始しました。さらに都民の多様な墓地需要に対処するため、多磨霊園内に集約化、立体化された屋内の墓所(長期収蔵施設)をみたま堂(納骨堂)内に設置し、平成5年度から供給を開始しました。

近年では、平成9年3月の東京都霊園管理問題等検討委員会答申で提言された、一つのお墓に多くの遺骨を一緒に埋蔵するという新しい形態の墓地である合葬式墓地(合葬埋蔵施設)を小平霊園及び多磨霊園に設置・供給し、現在小平の2基目を供給しています。また、区部霊園の再生事業の一環として平成17年度には、青山霊園で立体埋蔵施設の供給を開始し、平成22年度からは谷中霊園でも供給をはじめました。

なお、平成18年4月1日からは指定管理者として、公益財団法人東京都公園協会が8霊園及び瑞江葬儀所の管理運営を行っています。

お墓の種類を見る