ボランティア お知らせ

2026/03/18

都立公園ボランティア活動レポート#5 月まち倶楽部

東京都の都立公園には、200団体を超えるボランティアが日々活動し、公園のサービスセンター、管理所と力を合わせ、公園の魅力向上と環境保全に取り組んでいます。都立公園ボランティア活動レポートは、都立公園ボランティアのみなさんの活動の現場にお邪魔し、その魅力をお伝えしています。

 

 

浮間公園で星空の魅力を届ける

「月まち倶楽部」

 

 

浮間公園 月まち倶楽部

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大きな池と風車がシンボルの浮間公園。その夜空に、子どもたちへ宇宙の魅力を伝える、新たなグループが誕生しました。「月まち倶楽部」は、星空案内の資格を持つ30代の若手メンバーが中心となり、2023年に活動を開始。毎回100人以上が参加する人気の「星空観望会」は、どのようにして生まれたのでしょうか。その魅力と、新しいボランティアの形を探るべく、代表の鈴木祐太さんと事務担当の中島眞太郎さんにお話を伺いました。

 

星空が好き!その思いが仲間を集めた

活動のきっかけは、星空の魅力を伝える「星空案内人」資格講座での出会いでした。「資格を取った後、自分たちでも星空案内をやってみたい」。事務担当の中島さんのその一言に、同じ志を持つ同期が集まり、月まち倶楽部は結成されました。

 

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 (写真左が発起人であり事務担当の中島さん。当日は、赴任先の母島から浮間公園へ。右が代表の鈴木さん。浜松の天文台でのボランティア経験がきっかけ)

 

メンバーはそれぞれ仕事を持ちながら、オンラインツールを駆使して企画会議を重ねます。デザインや事務処理など、それぞれの得意分野を活かし、「無理なく、楽しく」をモットーに活動を続けています。趣味から始まった活動が、多くの人々と感動や楽しさを分かち合う、新しいコミュニティを生み出しています。


公園との出会いが、活動の扉を開いた 
「23区内で、これほど空が開けている公園はなかなかないです」。浮間公園は、公園の真ん中に池があるため上空が開けているため観望会にとって理想的な場所でした。

とはいえ発起人である中島さんは、「実績のない団体が都立公園でイベントをやるのは難しい。手続きも煩雑だろう」と都立公園での開催には消極的だったといいます。

 

しかし、代表の鈴木さんがサービスセンターに電話したところ、反応は意外にも前向きなものでした。

センター側も「ぜひ一緒にやりましょう」と快諾。公園との「共催」という形で、活動は一気に前進しました。

「僕たちがやりたいことを公園側が地域のためになると評価してくれて、風車のライトアップや他のイベントとの連携など、次々とアイデアを出してくれるんです。この協力的な関係が、活動の大きな支えになっています」と代表の鈴木さんは笑顔で語ってくれました。

 

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 (観望会の時間が近づくと、風車がライトアップ。ライトアップは年末年始と、この観望会の時だけ)

 

浮間公園との共同開催で、観望会を実施 

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(浮間公園サービスセンター長の大城将人さん。「月まち倶楽部は来園者を楽しませる工夫やケアが素晴らしいので安心して共催できます」)


浮間公園サービスセンター長の大城さんにも、お話を伺いました。


鈴木さんから相談があった当時、公園ではちょうど「1万本のチューリップを咲かせる活動」など、地域住民と連携した空間づくりが進んでいた時期でした。
サービスセンターは月まち倶楽部を単なる利用者ではなく、共に公園を盛り上げるパートナーとして迎え入れています。夜ヨガ団体とのコラボイベントを実現させたほか、昨年2月には聴覚障がい者を招待した観望会も開催しました。

この観望会では、聴覚障がい者と来園者がともに楽しめる場を目指し、解説板の工夫やUDトークの導入、安全対策などについて学術経験者へヒアリングを重ねて企画を練り上げました。

 

この取り組みは先行事例が少なく、学術団体誌への報告記事掲載に至りました。また、開催にあたって浮間公園側が、聴覚障がい者団体や大学の手話サークルとの調整を引き受けてくれたことも大きな力となりました。

 

専門的な知見に基づいた企画と、現場を支える公園側との「協働」こそが、イベントを成功させた大きなカギといえます
大城さんは、「月まち倶楽部さんは、毎回参加者のことをケアした企画内容を考えて運営してくれるので、強い信頼を置いています」と太鼓判を押します。


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(星空観望会の案内看板。その向こう囲いでは「うきまガーデンカフェプロジェクト」で植えたチューリップたちが春の準備を始めています。)

 

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 (公園入口にあるコメダ珈琲店浮間公園店のフリースペースには、観望会の案内ポスターに加え、月まち倶楽部さんが作った「鳥の星座」についての解説も)

 

親子で楽しめる科学体験を 
観望会では、毎回多くの子どもたちが目を輝かせながら望遠鏡を覗き込みます。「『わーっ!』と歓声をあげる姿を見るのが一番嬉しい」と中島さんは語ります。

 

天体望遠鏡で月や惑星を間近に捉える体験は、子どもたちの知的好奇心を刺激し、科学への扉を開く貴重な機会となっています。

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(木星と木星の衛星3つが並んでいるのがくっきり鑑賞できました。子どもたちも興味深々です)


会場には、待ち時間も飽きずに楽しめる工夫も満載です。特に人気なのが、観望のマナーを楽しく学べる「望遠鏡クイズ」コーナー。

子どもたちはハート型のペンライトを手に持ち、正解だと思う色の光を灯して回答します。
「あの子も同じ色だ!」暗闇に色とりどりの光が広がることで、お互いの答えがひと目で分かります。

その瞬間に自然と会話が弾み、初めて会った子同士がその場でお友達になることも。

クイズを通じて、知識だけでなく地域の子どもたちの交流も生まれています。 

 

こうした親子で学べるコミュニティとしての役割に加え、鈴木さんはシニア世代との交流も大切にしています。

「お年寄りが『こんなに綺麗に見えるの!』と驚き、喜んでくださる瞬間が何よりの励み。人生の先輩方に新しい感動を届けたい」と、全世代が星空を見上げる場づくりへの想いを語ってくれました。
 

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(会場に準備された光る月のクレータの説明と月のガイドマップ。子どもたちが星に興味を持つように工夫されています)

 

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 (順番待ちの列がわかりやすいようエリアを分け、さらに待ち時間も楽しく過せるよう、おもちゃや資料の貸し出しもあります。)
 

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(「望遠鏡クイズ」コーナー。クイズは、回答に使うハート型のペンライトは、子どもたちに大人気!)

 

新しいボランティアのモデルケースに
設立から2年余り。毎回多くの来場者で賑わう一方、スタッフの人員確保が課題です。メンバーの多くが都外から機材を運んで駆けつけているのが現状で、地域からの参加者を増やしていくことが、今後の活動の鍵となります。
「東京都だと練馬城址公園や武蔵野の森公園で星空案内人の先輩方が解説活動をしています。今後はこのような星空観望会が身近になると思います。」と中島さん。


趣味を活かし、公園との良好なパートナーシップを築きながら、地域に新たな価値を生み出す「月まち倶楽部」。彼らの活動によって、これからの公園ボランティアの可能性を広げる、新しいモデルケースとなるかもしれません。

 

公園名 浮間公園
団体名 月まち倶楽部
設立 2023年
活動内容 ・月1回のミーティング(観望会の準備等の進捗管理)
・他団体イベントの支援
・浮間公園での定期的な星空および天体観察会の開催
・年4回(春夏秋冬)の季節ごとの天体観測および解説、季節の星座の紹介、天体関係のクイズ、
 その他のミニコーナーの実施
活動日 年4回土曜日夜で設定(雨天時は翌日)  年間計画で進めている
メンバー数

スタッフ10名  (観測会参加者は毎回100名程度)

ボランティア活動に参加するには?

月まち倶楽部のお問い合わせフォームにご連絡ください

助成金情報

公益財団法人 東京都公園協会では「都立公園事業に参加協力する都民への助成金」を設けています。詳しくは以下のリンクをご確認ください

https://www.tokyo-park.or.jp/public/volunteer/about/

 

この記事は、公益財団法人 東京都公園協会「2025 年度公益事業推進課 ボランティア活動レポート作成業務委託」として、一般社団法人みんなの公園愛護会が取材・執筆を行いました。

一般社団法人 みんなの公園愛護会:一般社団法人みんなの公園愛護会