ボランティア お知らせ
2026/07/10
2026年度ボランティアスキルアップ講習【自然観察編】を実施しました
五感で深まる自然体験~気づきから広げるガイドの工夫~
東京都公園協会では、都立公園で活動するボランティア団体や個人の方を対象に、活動に役立つ技術や知識を身につけていただく「ボランティアスキルアップ講習」を行っています。
今回の講習では、五感を使って自然を味わう「ネイチュア・フィーリング」を体験し、知識や視覚情報だけに頼らないガイドの方法を学びました。また、障がいのある方や異なる世代の参加者と一緒に過ごし、異なる感じ方を持つ人とともに自然を観察することで、自分一人では気づけなかった自然の姿に出会えることを学びました。
ネイチュア・フィーリングは30年以上続く活動で、「五感で観察する」、「誰とでも一緒に活動する」という考え方を大切にしている観察手法です。
当日は、ネイチュア・フィーリングの指導に長年携わってこられた鳥山由子先生(自然観察指導員 元筑波大学教授)と、ご自身も視覚に障害を持ちながら活動されている瀬川三枝子先生(自然観察指導員 ネイチュア・フィーリングをすすめる会)を講師としてお招きしました。

講義をする鳥山先生(写真右)と瀬川先生(写真左)
多様性の視点から学ぶレクチャー
観察会に先立ち、鳥山先生からレクチャーがありました。
「自然の世界では、種類が多く多様であるほど豊かであるといわれています。同様に、人間社会においても多様性は重要な価値です」とのお話があり、自然の豊かさの考え方を通して、人間社会における多様性について考える機会となりました。

多くのボランティア団体の皆さんに参加していただきました
視覚に頼らない観察を実践(ネイチュア・フィーリング)
観察会では、視覚に頼らない自然観察の手法について実践的に学びました。
レクチャー後、日比谷公園内へ移動し、あいにくの雨の中ではありましたが、ネイチュア・フィーリングを実施しました。約1時間の観察会では、イロハモミジ、シダレザクラ、スタジイの3本の樹木を対象に、葉や枝を見て生育状況を見分ける方法を学びました。

瀬川先生を中心に実際に触って観察する参加者の皆さん

葉だけでなく、枝の形状や質感も丁寧に確かめます
同じ木でも、触る場所によって異なる感触があることに気づきます
参加者は葉や枝に触れながら観察し、感じたことや気づきを共有しました。
触覚を通じて枝のなめらかさや硬さの違いなどを発見し、意見を伝え合うことで一人では気づきにくい特徴への理解を深めました。
五感を使った観察の大切さを知る一日に
観察会後には、鳥山先生および瀬川先生による講義が行われました。実践を通して参加者が体験した「五感を使った観察」や「気づきの共有」について、あらためて講師のお二人から解説がありました。
瀬川先生からは、「先に説明を受けると、それ以上深く知ろうとする機会が減ってしまうことがある。まずは何も知らない状態で対象に向き合うことで、発見する楽しさが生まれる」とのお話がありました。
本講習を通じて、視覚に頼らず五感を使った観察の重要性に加え、異なる感じ方を持つ人同士が観察を共有することで、気づきが広がり、学びがより豊かになることを学びました。
今後も、都立公園で活動するボランティアの皆様の実践に役立つよう、体験を重視した学びの機会を提供してまいります。
