豊かな多摩丘陵の自然を育む
小山内裏公園
おやまだいりこうえんお知らせ
2026/06/01
ホタル豆知識③ これまでのホタル保全への取組と昨冬の少雨への対策など
当公園では初めてのホタル観察会に向けてのホタル豆知識の第3弾です。
幼虫が食べるカワニナは明るい小川で発生する藻類を食べるため、水面が覆われて暗くならないよう川岸沿いの草刈を実施しています。
その際、岸の土中にさなぎがいる春~初夏は避け、踏み荒らさないよう注意しています。
津島谷戸・大田切北の2か所の生息地とも、しばしば水不足になります。小川の渇水対策としては主に、
① 川底を掘らず浅く保つ、
② 流路の落ち葉や枝を残すことで谷戸中央側にあふれやすくする、
③ 小川の水量確保のため、上流部の水を集め、小川に誘導する(大田切北サンクチュアリ)
の3点の工夫をしています。
①②は、川底を深くすると大雨時にも水があふれなくなり谷戸中央の湿地が乾いてしまうことと、カワニナやホタルの幼虫が津島谷戸下手の暗渠(あんきょ)や大田切北サンクチュアリ下手の大田切池に流され、本来の生息地の小川に戻れなくなるため、それを防ぐための工夫です。落ち葉や枝があれば生きものが押し流されずに川の中に留まるとともに谷戸中央の湿地に水が供給されていきます。また、それでも小川が乾いた場合、落ち葉があればその下で乾燥に耐えて生き延びる可能性が高まります。
③は上流部にブルーシートを敷いて水を小川の中に集めています。小川の中だけに極端に集めてしまうと周囲の湿地が乾いて湿生植物やスジグロボタルの幼虫などが衰退してしまうので、バランスに気を付けています。
こうした配慮はしましたが、残念ながら昨年11月から今年3月にかけてほとんど雨が降らず、2か所の生息地とも水不足で小川の生きものが深刻なダメージを受けました。特に津島谷戸では小川の水がない状態が3ヶ月以上続き、多くのカワニナや水生昆虫が死んでしまいました。4月以降の調査で生息地2か所ともカワニナやトンボのヤゴが少数生き残っていることがわかり、小川の水量も徐々に回復しています。ホタルの幼虫へのダメージは防ぎきれませんでしたが、少しでも多く生き残っていることを願わずにはいられません。
川を明るく保つための草刈
シートで小川に水を集める工夫
干上がった小川(今年2月)
死んだカワニナの貝殻
落ち葉の下で生き残っていたカワニナ
