水戸黄門ゆかりの名園
小石川後楽園
こいしかわこうらくえんお知らせ
2021/11/22
【小石川後楽園の稲田行事~その7】
朝晩の冷え込みが増し、園内が錦秋に染まる季節がやってきました。
冬支度も仕上げの最終段階。松に施された「雪吊り」には、園内の田んぼで育てた稲を脱穀した後の藁が使われています。
そこで今回は、小石川後楽園の田んぼに関わる作業の中で、「脱穀」と「藁すぐり」について紹介していきます。
■■脱穀■■
10月8日に行われた「稲刈り」と「稲架掛け」から2週間。次の作業は、乾燥させた稲の「脱穀」です。
今年の「脱穀」は、樹木の手入れや冬支度、水路の清掃など、園内を美しく保つ為に欠かせない様々な作業と平行して進められ、数回に分けて行いました。
当園では、近年見かけることがなくなった足踏み式脱穀機を使用しています。
この足踏み式は、大正年間に全国に普及したもので、改良が加えられ今に至ります。
踏み板を踏んで、山型の針金を埋め込んだ筒を回転させ、そこに稲を一把ずつ持って廻しながら扱(こ)きます。
この作業は、回転が軌道に乗るまでが大変。ところが、新人職員は、すぐにコツを掴んで、軽快に踏みながら、稲を廻していきます。一定の速度で回転させていると、脱穀機を動かす音も安定してきて、籾もきれいに落ちていきます。
脱穀した籾には、細かい藁などが混ざっているので、後でこれを取り除きます。
■■藁すぐり(わらすぐり)■■
脱穀で、穂先から籾を落とした後の藁は、「ハカマ」と呼ばれる柔らかい葉に包まれています。この外側の「ハカマ」を、指先で梳きながら取り除きます。
この作業により、選び抜かれた美しい藁は、園内の冬の風物詩、「雪吊り」の一番上に被せる「わらボッチ」や、寒さを防ぐため根元近くを藁で覆う「化粧菰巻き」に使われます。
今年も11月17日に「雪吊り」の伝統技能見学会が開催され、この秋収穫した稲藁で編み上げた「わらボッチ」が、「雪吊り」の帆柱の上に飾られました。
小石川後楽園の「雪吊り」の制作過程は、YouTubeでもご紹介しています。
脱穀の後、籾摺り、精米を経て、白いもち米が姿を現します。
このもち米で、地元の文京区立柳町小学校の児童の皆さんが作って届けてくれる鏡餅を飾るのが、正月の恒例になっています。
そこで次回は「鏡餅」について、お伝えする予定です。
昔懐かしい「足踏み式脱穀機」
稲を回転させながら、籾を落とします
脱穀機から出てきたばかりの籾
「藁すぐり」の様子
「一つ松」の雪吊りに飾る「わらボッチ」を作成中
