お知らせ

2017年7月20日

桜ヶ丘公園の動植物情報

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7月中旬の野草の花8種        
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7月の中旬、梅雨明けが間近に感じられるようになり、毎日暑い日が続いています。このような天候の中、公園内の野草には次々と夏の花が開花しています。そこで今回はこれらの花の中から、先週に引き続いて水生植物と水辺の植物を4種、そして夏を代表する大型の野草の花を2種、さらに藪の中の薄暗い場所から顔を出した白い腐生ラン2種をご紹介いたします。

なお、写真はすべて7月16日に撮影しました。
桜ヶ丘公園170716オモダカ連結.jpg 上:ミズオオバコ / 下:オモダカ

ミズオオバコ

田んぼの中の水中から顔を出して、ミズオオバコが薄いピンク色の花を咲かせています。大きな葉は水中でゆらゆらしています。ミズオオバコはトチカガミ科の水生一年草で、日本を含むアジアやオーストラリアなどに分布しています。湖沼やため池、水田などに自生していて、沈水状態で生育します。夏から秋にかけて、水面に花茎を伸ばして、3枚の丸い花びらを持った、白に近い薄ピンク色の花を咲かせます。かつては水田の主要な雑草でしたが、水田の環境変化などによって生息数は激減しています。


オモダカ

田んぼの水の中で、細い針のような三角形の葉の間から花穂を伸ばしたオモダカが、白い3弁の花を咲かせています。オモダカはオモダカ科の水生多年草で、アジアと東ヨーロッパの温帯域から熱帯域に広く分布し、日本でも各地で見られます。水田や湿地、ため池などに自生していて、夏に白い3弁花を咲かせます。地下茎の先に塊茎を付けて繁殖しますが、この塊茎を肥大化させて食用にするように栽培した変種がクワイです。
桜ヶ丘公園170716イヌゴマ連結.jpg 上:コナギ / 下:イヌゴマ

コナギ

オモダカと並ぶようにして生えているコナギが、厚みのある長ハート形の葉の中心から青紫色の花を覗かせています。コナギはミズアオイ科の一年草で、東アジア全域に広く分布していて、日本でもほぼ全土にわたって見られます。ただし、原産地は東南アジアで、日本へは水田耕作と共に伝わった史前帰化植物だと考えられています。夏から秋にかけて葉柄の基部に短い房状の穂を出して、ホテイアオイの花に似ているがずっと小さい青紫色の花を咲かせます。


イヌゴマ

わき水の広場のミソハギの赤紫色の花の脇で、イヌゴマがピンク色の花を咲かせ始めました。イヌゴマはシソ科の多年草で、北海道~九州、国外では中国大陸に分布しています。湿地やため池畔、用水路脇などの水辺に自生していて、夏に、垂直に上に伸びた茎の先に花穂を出して、長さ1.2~1.5㎝の唇形の花を咲かせます。実がゴマの実にそっくりなのに食べられないので、役に立たないという意味のイヌを付けてこの名前になりました。
桜ヶ丘公園170716オオバギボウシ連結.jpg 上:ヤマユリ / 下:オオバギボウシ

ヤマユ

大谷戸公園前の果樹園の奥や記念館口駐車場東側の斜面の草地の中などで、ヤマユリが大きくてとても目立つ花を咲かせ始めています。ヤマユリはユリ科の球根性多年草で、北陸地方を除く近畿地方以北の日本に分布する日本特産種です。花の大きさは直径20㎝以上で、ユリ科の中でも最大級ですので、その重みで全体が傾くほどです。1873年のウィーン万博で、他のユリと共に紹介されて、ヨーロッパで注目を浴びました。それ以降ヤマユリの球根は大正時代までは主要な輸出品となっていて、西洋では栽培品種の母株として重用されました。


オオバギボウシ

野草園に移植したオオバギボウシが大きく成長して、長く伸ばした花穂にたくさんの白に近い薄紫色の花を咲かせています。オオバギボウシはキジカクシ科の多年草で、北海道から九州までの広い地域に分布しています。6月~8月に漏斗型の白色または淡紫色の花をやや下向きに付けますが、この花の蕾が和橋の欄干の擬宝珠に似ていて大きな葉を持っているので、大葉擬宝珠と名付けられました。なお、若葉はウルイと呼ばれて、山菜として食用になります。
桜ヶ丘公園170716サガミラン連結.jpg 上:タシロラン / 下:サガミラン

タシロラン

野草園近くの笹藪の中で、タシロランが白く長い花穂を伸ばして、そこに白地に薄茶色の斑点のある花を咲かせています。撮影日には花は盛りを過ぎていましたので、まだフレッシュな花穂の先端の花だけをクローズアップしました。タシロランはラン科の多年草で、日本、中国南部、台湾、インドシナ、マレーシア、オーストラリアに分布しています。山野の樹林内の暗い林床に生育していて、葉緑素は持たないので光合成は行わず、根に菌類を共生させ、この菌類を介して養分を得る腐生植物です。


サガミラン

富士美の丘に登る園路脇の植え込みの下の暗い場所で、サガミランが白い花を咲かせ始めていました。サガミランはラン科の多年草で、マヤランの白花種という見解もありますが、遺伝子レベルの分化が大きく、別種として扱うのが適当と言われています。なお、このサガミランも葉緑素を持たない腐生植物です。また、その分布域は関東地方南部以西~沖縄という説がありますが、はっきりとはしていません。

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