お知らせ

2016年10月13日

桜ヶ丘公園の動植物情報

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10月上旬の野草7種の花とシダ1種

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10月の上旬から中旬に移ろうとするこの時期になって、秋雨前線もようやく日本から離れて、秋らしい天候になってきました。このような秋空の下、公園内の野草には晩秋の花が咲き始めています。そこで今回は、これらの中から野草7種の花とシダを1種ご紹介いたします。

なお、写真はすべて10月10日に撮影しました。
長沼公園161010ヤマハッカ連結.jpg 上:テンニンソウ / 下:ヤマハッカ


テンニンソウ

ひぐらし坂の山側に組まれた石垣の間から生えているテンニンソウに、長く伸びた雄しべが目立つ、小さな淡黄色の花をたくさん咲かせている、ブラシのような形の花穂が付き始めています。テンニンソウはシソ科の多年草で、本州、四国、九州に分布する日本固有種です。山地の林床などに大群落を作ることの多い植物ですが、桜ヶ丘公園では石垣の隙間などの周辺に群落を作っています。なお、テンニンソウは「天人草」と書きますが、その意味は不明です。


ヤマハッカ

大松山中腹のおもいでの道の脇やもみじ平の端の草むらの中から、薄紫色の小さな花をたくさん付けたヤマハッカの長い花穂が伸びています。ヤマハッカはシソ科の多年草で、北海道~九州、朝鮮半島、中国に分布しています。多くのシソ科の植物の花は花筒の先端が5裂して、そのうちのひとつが上側にかぶさって、雄しべや雌しべが雨などに濡れるのを防ぐような構造になっていますが、ヤマハッカの花は天地が逆になっていて、上側に4裂、下側にひとつという構造になっています。

桜ヶ丘公園161010セイタカアワダチソウ連結.jpg 上:ノハラアザミ / 下:セイタカアワダチソウ

ノハラアザミ

大松山を記念館に向かって登る園路の両側の草原の中で、ノハラアザミの赤紫色の花が咲き始めています。ノハラアザミはキク科の多年草で、本州の中部~北部に分布しています。ノアザミとよく似ていますが、ノアザミは春~夏に開花するのに対して、ノハラアザミは9月~10月に花を咲かせるので間違えることはありません。また、大松山にはタイアザミもたくさん生えていて、この時期に花を咲かせていますが、タイアザミは花を横~下向きに付けることが多いのですが、ノハラアザミは花を上向きに咲かせます。


セイタカアワダチソウ

田んぼの入口の脇や公園内の明るい草原などに生えている、セイタカアワダチソウの小さな花をたくさん咲かせている花穂が黄金色に輝き出しました。セイタカアワダチソウはキク科の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物です。日本への移入は明治時代末期に園芸目的で持ち込まれましたが、その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後です。昭和40年代以降になると、全国、特に関東地方以西~九州で大繁殖するようになりました。
桜ヶ丘公園161010イボクサ連結.jpg 上:ツルニンジン / 下:イボクサ

ツルニンジン

谷戸の丘の中腹を通る園路脇の低木などに絡み付いたツルニンジンに、ようやく花が咲き出しました。長沼公園などではずいぶん前に咲き出して、今はもう花が終わろうとしているこの時期に、桜ヶ丘公園では生育状態が悪く、今ごろになって花が咲いています。ツルニンジンはキキョウ科のつる性多年草で、東アジア一帯の林内に生育しています。朝鮮では代表的な山菜として知られていて、根をキムチや揚げ物、和え物にしますが、日本ではあまり食べられていません。


イボクサ

田んぼの畦や水ぎわなどに生えているイボクサに、白~薄紅色のグラデーションになった3枚の花びらの付いた小さな花が咲いています。イボクサはツユクサ科の一年草で、日本、朝鮮半島、中国、北アメリカ東部に分布しています。なお、日本に分布するイボクサは史前帰化植物とされています。このイボクサは湿地に生える雑草で、水田ではよく畔に生えていて、中には水の中に生えているものもあります。

桜ヶ丘公園161010オオハナワラビ連結.jpg 上:ゲンノショウコ / 下:オオハナワラビ

ゲンノショウコ

とんぼの広場の明るい草原の中でゲンノショウコが赤い花を咲かせています。公園内の他の場所には白い花のゲンノショウコも見られます。ゲンノショウコはフウロソウ科の多年草で、日本、朝鮮半島、台湾に分布しています。上記のように赤花と白花がありますが、赤花のゲンノショウコは西日本に多く、白花は主として東日本に見られます。また、地上部を干し煎じて下痢止めや胃薬としたものは、江戸時代から日本の民間薬の代表格になっています。


オオハナワラビ

大松山の北側斜面を通るウグイスの道などの園路際で、オオハナワラビの長く伸びた胞子葉に付いた胞子嚢(ほうしのう)が黄色く染まり出していて、花が咲いているように見えます。オオハナワラビはハナヤスリ科の冬緑性シダ植物で、本州の東北地方中部以南~九州、朝鮮半島、中国に分布していて、低山~山地の樹林内に生育しています。近縁のフユノハナワラビとよく似ていますが、オオハナワラビの栄養葉の先は鋭くとがっているのに対して、フユノハナワラビの葉先は鈍く、丸みを帯びています。

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