お知らせ

2021年5月17日

【小石川後楽園の稲田行事~その1】

小石川後楽園恒例の田植えの季節が到来しました。

小石川後楽園は、東京に残る最古の大名庭園であり、園内名所のひとつ「稲田」は、都心で稲作の様子を目にすることができる数少ない場所です。

この稲田は、水戸徳川家二代藩主光圀公が、世継ぎである綱條の公家出身の夫人に農耕の尊さと農民の苦労を教えるために行った米作りに由来します。

米の漢字は、「八十八の手間がかかることに由来する」といわれるように、手間と時間のかかる米づくり。機械化が進んだ今でも、当園では手植えの伝統を守り継いでいます。

昭和50年から校外学習の一環として、地元の小学生が田植えを体験していますが、昨年に続き今年も、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための休園により、当園職員のみで作業を行いました。

歴史と伝統を受け継ぐ小石川後楽園の田んぼに関わる年間の作業の中で、今回は「田起こし」から「畦塗り」までの工程をご紹介していきます。


■■田起こし(たおこし)■■

田起こしは、例年3月下旬に行っています。
冬の間に固くなっていた土を起こし、空気を入れて乾燥させ、ここで稲の切り株や肥料を一緒にすき込んで分解を促し、土に養分を与えます。

通気性を良くし、保水にも排水にも考慮して、深過ぎず、浅過ぎず起耕する、ちょうど良い速度で耕耘機を動かすのは、思ったより大変です。


■■代搔き(しろかき)■■

畦塗りとあわせて、当園では例年4月下旬に行っています。
田んぼに水を張り、まず外周から内側へ、できるだけ均等になるように土を砕き、かき混ぜながら2周します。
往復する回数が多すぎると、土が細かくなりすぎ、イネの成長に欠かせない地中の酸素が減り,根も張りにくくなります。

作業に適した水量や、機械を入れる深さや速度の調節は、イネの生育に影響する大事な作業のため、ベテラン職員が新人職員へ技術指導を行います。


■■畦塗り(あぜぬり)■■

畦から崩れた泥を上げ、コテや鍬で塗りつけます。この作業を毎年繰り返して、水漏れや決壊を防ぎ、水路や隣の菖蒲田との境界を保っています。この時、ひび割れや穴を塞ぎながら塗り固めます。

乾くと、水を堰き止めながら排水にも耐えうる、丈夫で防草効果の高い畦ができあがります。


今年は、臨時休園のため、これらの作業を近くでご覧いただけず大変残念です。
次回は、5月13日に行われた「田植え」の様子をお伝えいたします。

小石川後楽園210119稲田(冬).JPG  切り株が残る乾いた冬の稲田
小石川後楽園210327田起こし (2).JPG  「田起こし」 冬の間に固くなった土を耕します 
小石川後楽園210425畦塗り(代搔き) (4).JPG 「畦塗り」 コテで滑らかに仕上げます 
小石川後楽園210425畦塗り(代搔き) (5).JPG 「畦塗り」 鍬ですくって泥を畦に塗りつけます
小石川後楽園210425代搔き (4).JPG 田植えを目前に控えた「代搔き」の様子

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