特集コンテンツ 都立公園の歴史と自然シリーズ 第1話 都会のオアシス 日比谷公園

プロローグ

公園へ遊びに立寄る人は大勢いても、そこの公園の歴史や成り立ちを詳しく知っている人はそれほど多くはないのではないでしょうか。しかし、公園にも人と歴史をつなぎ合わせる経緯があり、それをひも解くと、壮大なロマンが潜んでいたりするものです。
第1話は都心のオアシス「日比谷公園」です。

歴史

日比谷公園は都会のオアシスとして、度々マスコミにも登場する国内最初の洋風公園です。
明治36年6月10日に仮開園をむかえた日比谷公園は、西洋にあこがれを抱いていたその当時の人たちの観光名所だったといいます。公園には意図して『洋食、洋楽、洋花』が用いられ、西洋の文化に触れられる最先端の場所でした。
日比谷公園の設計はコンペを行い、設計案が決まるまでに案が二転三転しています。また、公園が現実のものとなるまでに、政治家による思惑など難問がいくつもあり、計画が遅々として進みませんでした。
公園の構想から本多静六博士の設計案に決定し、開園にいたるまで、実に10年の歳月がかかったといいます。
それだけ関係者が頭を悩ませ、苦労した結果、開園にこぎつけたことは、喜びもまた格別だったのではないでしょうか。

日比谷公園仮開園式の様子

※東京グリーンアーカイブス所蔵

開設当時の設計図(本多静六博士設計)

※東京グリーンアーカイブス所蔵

※本開園式は行われておらず、現在では仮開園式が開園日として扱われています。

緑の生長

日比谷公園は開園からおよそ100年という時の流れによって、都心に青々とした公園を作り出しました。
公園の植栽には本多静六博士の取り計らいで東京農科大学(現・東京大学農学部)から払い下げられた数十センチの苗木が植えられました。おかげで日陰はなく、直射日光が降り注ぎ『霍乱(かくらん)公園』と新聞には掲載される始末でした。
公園内の同じ位置での写真を比較すると、どれほど樹木が生長したかがわかります。

日比谷門から見た公園内の緑量の変化

※東京グリーンアーカイブス所蔵

日比谷公園の樹木・花・鳥

日比谷公園でカワセミに出会えるかも!

※撮影:藤本和典氏(シェアリングアース協会代表)

日比谷公園の樹木は当時珍しかったスズカケノキや関西以西でよく見られたアベマキなどの樹木が植えられました。それは東京の気候に樹木が健全に生育できるのか、試験的な意味を含めていろいろな種類の樹木が植えられたのだといいます。
また、かつては花壇管理のための専門職員がおり、花壇の花苗はストックヤードで年間計画をたてて育て、植えられていました。花の魅力の絶えない花壇づくりをコンセプトに、専門職員の並々ならぬ想いがあったのでしょう。
そして意外と知られていない鳥の楽園としても日比谷公園は大変貴重な存在です。ここ数年前からカワセミが見られるようになり、他にもコゲラ、センダイムシクイなど、自然豊かな場所でしか見られないと思われていた鳥も見かけることがあります。それは都市の環境が少しずつ改善されたことと日比谷公園が水辺や雑木林、草地など、鳥が生活環境を選びやすいことに由来しています。
お隣皇居の森と合わせて、鳥たちは都市の生活に合わせて住み分けをしているようです。

出典:みどりの i プラザ(緑と水の市民カレッジ)

みどりの i プラザの紹介

日比谷公園の中にある「緑と水の市民カレッジ」では、緑や水について深い知識を得られる講座や技術を学べる講座など、一般市民を対象に知識と情報・技術の提供を行っています。
また、緑と水の市民カレッジ3F「みどりの i プラザ」は、東京の公園緑地や水辺についての情報発信、都立公園等で活動するボランティア団体の紹介、ボランティア相互の交流の場の提供等を行っています。
ギャラリーでは、都市の緑や地球環境にまつわる展示を常時行っており、どなたでも分かりやすく楽しみながら学べます。
みなさまのお越しをお待ちしております。

日比谷公園内 緑と水の市民カレッジ3F みどりの i プラザ