特集コンテンツ 【東京の水辺シリーズ】みんなを守る調節池!!

1.はじめに

普段何気なく利用している環状七号線。平成17年度道路交通センサス(国土交通省 関東地方整備局)の結果では、関東甲信地域の一般道路部門において第7位という交通量の多い道路として有名です。しかし、その地下に、トンネルがあるのをご存知の方は少ないのでは?
このトンネルは大雨などで水量が増した際に、調節池として一時、水を流し込み、洪水を防ぐ役割を担っています。
今回は洪水から東京を守る“地下のトンネル河川”のご紹介です。

2.環状七号線の道路下に河川が

「出水期(しゅっすいき)」とは、河川用語で洪水が発生する季節(6月~10月)のことで、この時期に大活躍するのが「神田川環状七号線地下調節池」です。
平成17年9月4日の台風14号の前線豪雨の際、完成直前の二期工事区間にも神田川の洪水を貯留したことで、被害の拡大を防いだと都議会で石原知事から大いに評価していただきました。この「神田川環状七号線地下調節池」の機械及び監視設備の保守点検や調節池に流入した汚泥の清掃を受託しているのが、私たち財団法人東京都公園協会(水辺事業課)です。
「神田川環状七号線地下調節池」は、第一期事業として(延長2.0km)神田川から洪水を流入させる目的で、昭和63年に工事に着手し、平成9年4月から取水を開始しました。次に第二期事業(延長2.5km)として善福寺川及び妙正寺川から洪水を流入させるため、平成7年に工事着手、平成17年9月から善福寺川取水施設において取水を開始しました。

平常時の様子 (平成17年9月4日の中野区妙正寺川・北原橋)

洪水時の様子

(中野区提供)

3.大きなトンネルが必要な理由とは?

ではなぜ、環状七号線という幹線道路の下にこのような大きなトンネルが必要なのでしょうか?
それには、東京の中小河川における洪水の歴史についてのお話ししなければなりません。隅田川以西の区部山の手地域には、神田川・石神井川・野川などが流れており、これらを中小河川と呼んでいます。これらの河川流域では、急激な都市化の進展に伴い、保水・遊水機能が減少して降雨時の河川への流出量が増大し、集中豪雨等により多くの水害が発生してきました。
そこで都は、中小河川のうち洪水に対する流下能力の向上が必要な46河川324kmについて1時間あたり50mmの降雨に対応できるよう河川の整備を進めています。特に、都市化が著しい神田川流域では河川沿いまで住宅等が密集し、50mm対応の護岸整備に相当時間を要するため、洪水の一部を貯留する調節池が必要となりました。そこで、大深度の地下空間を活用して、環状七号線の道路の地下約50mに内径12.5m(地下鉄複線断面より大きい)貯留量54万m3の「神田川環状七号線地下調節池」を設置したのです。

4.神田川環状七号線地下調節池

「神田川環状七号線地下調節池」とはどのような施設なのか、簡単に説明いたします。まず川から洪水を取り入れる越流堰(えつりゅうぜき)、地下に落下する洪水の衝撃をやわらげるドロップシャフト、調節池トンネルへ導水する連絡管渠、排水のためのポンプ設備や換気設備等があります。

機械設備の点検を行っています

取水施設断面図

しかし、いざ洪水時に川から水が入ったけれども、地下50mから排水するポンプが動かない、監視設備が使えなくては大問題です。そこで、日々の維持管理が重要になるわけです。
それを支えている当公園協会の主な業務は、毎月のポンプ運転・機械設備の点検、3ヶ月に1回の監視設備の点検及び6ヶ月毎の消防設備の点検を行い、洪水を取り込み排水した後に残った汚泥等の清掃、搬出、処分を行っています。

土砂を搬出し、清掃をしています。

地下50mからくみあげるため、国内最大級の吸引能力を持つバキューム車を配置しています。

点検、清掃時に発見した故障は、東京都(河川部・第三建設事務所)に報告し、軽微なものについては直ぐに修理を行っています。このように、地下調節池の機器が正常な状態を保つよう点検業務を実施することで、日々都民の安全を確保しています。

出典:緑と水のひろば52号「東京パークスNOW 環状七号線の道路下に河川が」

おわりに

いかがでしたか。
洪水の被害を防ぐためにこのような方法があるなんて、思いも寄らないところで私たちの生活は守られているのですね!
今回の地下河川はもちろん、隅田川などの護岸整備も言わずと知れた洪水対策の代表です。
今度、水上バスに乗ったら、ちょっと違った視点で東京の水辺を眺められるかもしれません。