お知らせ

2017年9月 7日

桜ヶ丘公園の動植物情報

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9月初旬の野草の花6種と昆虫2種  
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雨が非常に多かった8月から、9月になってようやく晴れの日が増えてきました。まだまだ暑い日が続いていますが、それでも少しずつ秋の気配が漂うようになってきました。このような天候の中で、公園内の野草の花や虫たちにも秋を感じさせる姿が増えてきていますので、今回はこれらの中から野草の花6種と秋の虫2種をご紹介いたします。

なお、虫の写真は9月1日に、野草は9月3日に撮影しました。
桜ヶ丘公園170903ホトトギス連結.jpg 上:ツルボ / 下:ホトトギス

ツルボ

公園の中の明るく草丈の低い草原の中でツルボが一斉に花茎を伸ばして、その先の花穂に小さなピンク色の花をたくさん咲かせ出しています。ツルボはキジカクシ科の球根性多年草で、北海道南西部~沖縄、国外では朝鮮半島、中国、台湾、ウスリーに分布しています。葉は1年に2回出ます。まず春に5~10枚の葉が出て、これは夏には枯れます。その後初秋に2~3枚の葉が出て、この葉と向かい合った間から花穂が出て開花します。


ホトトギス

とんぼの広場の片隅のフェンスの向こう側からこちら側に茎を伸ばしたホトトギスが、いま野草園や公園内のあちこちでたくさん咲いているヤマホトトギスとは違った色合いと姿の紫色の花を咲かせ始めています。ホトトギスはユリ科の多年草で、日本の主に太平洋側に自生する日本特産種です。日陰になって、やや湿った斜面や崖、岩場などに見られ、葉の脇に直径2~3㎝で紫色の斑点のある花を1~3輪、上向きに咲かせます。なお、広い意味のホトトギスは属全体を指す通称となっていますが、東アジアを中心に約20種が見られ、日本にはその内10種が自生しています。
桜ヶ丘公園170903ツルマメ連結.jpg 上:スズメウリ / 下:ツルマメ

スズメウリ

ナンバンギセルが花を咲かせているススキの大株の上につるを絡ませたスズメウリが白い花を咲かせ、早いものは直径1センチ弱まで太った球形の実をつけています。スズメウリはウリ科の一年草で、本州以南の日本と韓国の済州島に分布しています。花は雌雄異花で、つるから伸びた細い花柄の先にひとつずつ花が咲きます。大きな子房がついているのが雌花で、この子房は花後に大きく球形に膨らんで、グリーンの実は秋に熟すと色が灰白色に変わります。


ツルマメ

スズメウリが実を付けているススキも花穂を伸ばしていますが、この同じススキにつるを絡ませたツルマメが小さな紅紫色の花をたくさん咲かせています。ツルマメはマメ科のつる性一年草で、本州以南の日本、国外では朝鮮半島、中国、ウスリー、アムールに分布しています。このツルマメは大豆に近縁で、その原種と考えられています。縄文時代から人々が栽培し、さらに品種改良したものが大豆になったと言われています。なお、別名のノマメは、大豆が畑で栽培されるのに対して、ツルマメは野原に野生しているからです。
桜ヶ丘公園170903アブラガヤ連結.jpg 上:コガマ / 下:アブラガヤ

コガマ

とんぼの広場の池から続いた湿地の中でコガマが茶色のガマの穂を付けています。コガマはガマ科の抽水性多年草で、本州、四国、九州、そして東アジアに広く分布しています。花期は同属のガマやヒメガマより1ヶ月ほど遅く、7~8月です。湖沼、溜池、水路、休耕田などに生えていますが、ガマやヒメガマほど抽水状態を好みません。また、ヒメガマの穂は雌花群と雄花群が離れていて間に茎が裸出していますが、コガマは両群が接しています。なお、ガマも両群が接していますが、穂の大きさがかなり大きいので区別できます。


アブラガヤ

とんぼの広場の池の中やここから続く湿地の中で、アブラガヤが茶色の花穂を伸ばしています。アブラガヤはカヤツリグサ科の多年草で、北海道、本州、四国、九州に分布しています。休耕田や湿地、溜池の畔など、日当たりが良くて湿った場所に生育しますが、湿原に土砂が流入した場所などではいち早く侵入・定着します。本種は非常に変異が多く、古くからその変異に応じたいくつかの名前がつけられていますが、その扱いについては定説がありません。アブラガヤという名前は穂が油色で油臭いことから付けられました。
桜ヶ丘公園170901ウマオイ連結.jpg 上:ミヤマアカネ / 下:ウマオイ

ミヤマアカネ

ドッグランに下る園路の階段の石の上にミヤマアカネが止まっていました。その傍の野草保護柵の中の花の間でも盛んに飛び回っています。ミヤマアカネはトンボ科の中型の赤とんぼで、日本全土に分布しています。国外ではヨーロッパから中国東北部にかけて、成虫がやや小型で翅の褐色帯が狭い亜種のヨーロッパミヤマアカネが分布しています。翅の縁紋の内側にある褐色の太い帯と翅脈まで色づくのが特徴で、他の赤とんぼとの区別はしやすいトンボです。


ウマオイ

記念館横のトイレの中のタイルの壁の上をウマオイが歩いていました。ウマオイはキリギリス科に属するハヤシノウマオイあるいはハタケノウマオイ指しますが、この2種に外見上の違いはほとんどありません。ただし鳴き声が違っていて、ハヤシノウマオイは「スィーーー・チョン」と長く伸ばして鳴くのに対して、ハタケノウマオイは「シッチョン・シッチョン」と短く鳴きます。生態は両者ともそれほど変わらず、華奢な姿に似合わず肉食性が大変強く、他の小昆虫を捕えて食べます。

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