お知らせ

2015年3月23日

第五回西行祭 短歌の募集 入選者発表

小石川後楽園では、園内の西行堂遺構にちなみ、「第五回 西行祭」を開催し、短歌の募集を行いました。お題は『桜』です。選者の先生により入選作品が決定いたしました。

ここに、入選者と作品、講評を発表いたします。

1席 増田 優
ふるさとへかへる覚悟のつかぬまま子らの手を引き桜眺むる

ふるさとに帰りたいのに覚悟がつかない、という屈折した思いが告げられている。「子らの手を引き」桜を見ている、という下句が切ない。    

2席 橋本 妙子
山桜をちこちに見て長閑(のどか)なり大糸線の各駅停車
   
旅のうたで、「大糸線」という固有名詞が利いている。初句の「山桜」というのも素朴な日本の風土を現していて個性がある。

3席 岩﨑 雄大
水色のぶらんこに乗る 資格なら桜のまえで捨てたのでした

口語の叙法をとり、作者の解放された思いがみなぎっている作品だ。三区以下に自分の背負ってきたもの(資格など)を満開の桜の下で捨て去り、青空の下でぶらんこに乗っている、という物語のような作品である。        

佳作 宮田 暁美
春日和見えぬ目(まなこ)にも桜空友に引かれて友とあじわう

友人に誘われて春の一日を楽しまれているようである。下句の「友に引かれて友とあじわう」というリフレイン(くり返し)が利いているし、「桜空」の比喩もよかった。

佳作 髙橋 和雄
神田川の落花に白き水の面(も)を鴨の番(つがい)が水脈(みお)曳きて行く

東京を流れる神田川、その川べりのサクラも散りはじめたという。その川面の花を分けてゆく二羽の夫婦の鴨。その鴨の引く水脈が目に見えるように詠われているところが見どころ。

     
審査員特別賞 大和田 侑佳
桜がねひらりと私にごあいさつ私と仲良く顔見合わせる

子供らしい素直な作品で、「桜がねひらりと私にごあいさつ」というところがとても新鮮です。そして、桜の花と仲良しになって、顔を見合わせている、など、まるで童話の一場面を切り取ったようですね。


小石川後楽園「第五回西行祭」櫻井登世子先生講評
 全体講評
一般の応募者の作品は三百三十首、なお、今年は葛飾区の本田小学校の応募作品百十一首も加わり、五年目の西行祭に花を添えている。
「さくら」が題詠として募集されているのは「西行」の『願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ』の辞世の一首に因んでいるのだろう。
応募作品は「生活詠、挽歌、愛の歌、旅の歌、時事詠」など多種であったが、選出には、方法(詠い方)は自由でありつつ、なお「詩」として味わえる多様な作品を、と心懸けた。最終的に、五首に絞ったが、選に洩れた作品にも愛着のあるものが多数あったことを付け加えておきたい。


入選された皆様、おめでとうございます。入選者の方々には賞状と記念品をお送りいたします。
応募していただきました皆様、誠にありがとうございました。
また来年の西行祭をお楽しみに。  

**桜情報***
当園に五本あるシダレザクラがいよいよ開花。満開を楽しみにしているお客様からのお問合せも増えてきました。天候により開花状況は変わりますが、ぜひ日を選んでご来園ください。

   
 


  
P3230213.JPG 枝垂桜 庭園入って正面の馬場桜。
P3230221.JPG 枝垂桜 いよいよ開花しました。
P3230215.JPG 枝垂桜 小廬山の手前の樹です。

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